首に強い衝撃が加わると、首の捻挫状態であるむちうちが起こることがあります。むちうちは交通事故が原因で起こることが多く、交通事故によるむちうちは必ず診断書を取ることがおすすめです。今回は、むちうちの診断書の取り方や診断書の種類、診断書が必要な理由について解説していきます。
むちうちの診断書が必要な理由
交通事故が原因のむちうちは、必ず診断書を取りましょう。むちうちに診断書が必要な理由には、以下の3つが挙げられます。
- 交通事故との因果関係を証明するため
- 物損事故から人身事故に切り替えてもらうため
- 後遺障害の認定を受けるため
交通事故との因果関係を証明するため
交通事故の被害者の場合、治療費や慰謝料を請求することができます。これらの請求には、交通事故が原因でむちうちになったことの証明が必要であり、その証明が診断書です。むちうちと交通事故の因果関係が証明されなければ、もらえるはずの費用を請求できないためむちうちの診断書は必要なのです。
物損事故から人身事故に切り替えてもらうため
交通事故には「物損事故」と「人身事故」の2種類があり、人が死傷していなければ物損事故として扱われます。たとえ怪我をしていても、それを証明できなければ人身事故扱いになりません。物損事故として扱われると慰謝料の請求が難しくなるため、それを防ぐためにも交通事故によるむちうちには診断書が必要です。
後遺障害の認定を受けるため
後遺障害とは、交通事故が原因で残った後遺症のことです。後遺障害として認定されるにはさまざまな条件があり、条件の一つとして医療機関の診断書が求められます。後遺障害と認められると、通常の慰謝料とは別の後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益といった損害賠償金を請求できます。
むちうちの診断書の種類
むちうちの診断書には3つの種類があり、それぞれによって目的や内容が異なります。
- 保険会社に提出する用
- 警察に提出する用
- 後遺障害認定のために提出する用
それぞれの内容を詳しく見てみましょう。
保険会社に提出する用
交通事故によるむちうちの治療費や慰謝料を請求するには、診断書を加害者の保険会社に提出することが必要です。提出に必要な内容は保険会社によって異なるため、保険会社指定の診断書の書式を利用しましょう。ただし、場合によっては保険会社が病院から直接取得したり診断書の提出先が異なったりするため、事前に確認してから診断書を取得しましょう。
警察に提出する用
交通事故を物損事故から人身事故に切り替えるには、警察への診断書提出が必要です。警察への提出に必要なのは、病院が指定している書式の診断書です。交通事故から時間が経ってから人身事故への切り替えを依頼しても、むちうちと交通事故の因果関係が証明できなければ受理されないこともあります。交通事故が発生して1週間以内には、警察に診断書を提出しましょう。
後遺障害認定のために提出する用
後遺障害認定のための診断書は、通常の診断書と内容が異なります。症状の診断書に加え治療を続けても症状が改善できない証明やレントゲン・MRI・CTなどの画像が必要なため、その旨を事前に病院に伝えておきましょう。交通事故が原因のむちうちにより仕事を休んだり辞めたりする場合は、後遺障害認定用の診断書を職場に提出することもあります。
むちうちの診断書の取り方
むちうちの診断書は、以下の方法で取得してください。
- 医療機関を受診する
- 受付で診断書の発行を依頼する
- 作成まで2週間ほど待つ
医療機関を受診する
診断書は、医療機関でしか作成できません。整骨院や整体院では診断書がもらえないため、むちうちの疑いがある場合は、必ず医療機関を受診しましょう。診断書をもらったあとの治療に整骨院などを使うこともできますが、1ヶ月に1回程度医療機関を受診して症状の進行を診断してもらう必要があります。
受付で診断書の発行を依頼する
医療機関に行ったら、受診の前に受付で診断書の発行を事前に依頼しましょう。目的や提出先を細かく伝えることで、それにあった内容の診断書を作成してもらえます。診断書を作成するのは医師のため、診断中は自覚症状を細かく伝えてください。むちうちは客観的に症状がわからないことも多いため、どんな痛みやしびれがあるかを事細かく伝えることが重要です。
作成まで2週間ほど待つ
基本的に、診断書の発行には2週間ほどの期間が必要です。むちうちは症状が出るのに時間がかかる特徴があるため、痛みやしびれなどの症状が出てから医療機関を受診しては診断書をもらうのが遅くなってしまいます。そのため交通事故に遭ったらすぐに医療機関を受診し、余裕を持って診断書を取得しましょう。
診断書は原則コピーが不可なので、必要な枚数を取得してください。診断書にかかる費用は、あとで加害者に請求できるので領収書を必ずもらっておきましょう。
まとめ
むちうちの診断書は、交通事故とむちうちの因果関係を証明したり物損事故から人身事故に切り替えたりする際に必要です。後遺症があると後遺障害の認定にも診断書は必要なため、交通事故が原因でむちうちを発症したら適切な方法で診断書を発行・提出しましょう。
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