テニスで起こりやすいケガとは? その予防と治療について

テニスで起こりやすいケガとは? その予防と治療について

優雅なイメージのあるテニスですが、意外とケガがつきもののスポーツです。 ケガをかけているとテニスを続けることはおろか、日常生活でも不便な状態になりかねません。

そこで、この記事ではテニスで起こりやすいケガについて解説し、その予防方法や治療方法についてもご紹介したいと思います。

テニスで起こりやすいケガ

テニスに限らずスポーツで起こりやすいケガには、骨折、捻挫、打撲、脱臼などがあります。ここでは特にテニスに多く発生しがちなケガの代表格である2つのケガについて解説します。

テニス肘

テニス肘(テニスエルボー)には2つの症状が見られます。肘の外側に痛みが出る上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)と、肘の内側に痛みが出る上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)があります。上腕骨外側上顆炎は片手でバックハンドを行ったときに起こりやすく、上腕骨内側上顆炎はフォアハンドを行ったときに起こります。

テニス肘が起こる原因は、ラケットがボールを打つときの衝撃が手首を通じて肘に伝わり、肘の腱に炎症や痛みを引き起こすことによって起こります。肘にはさまざまな筋肉がついていますが、グリップを握ったり手首を動かしたりする筋肉の短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)に負荷がかかることがテニス肘の主な原因です。

テニス肘の初期段階では安静時には痛みがなく、ドアノブを握ったり物をつかんだり、タオルを絞ったときに痛みを感じるようになります。症状が悪化するとコップを持てないくらいの強い痛みが走り、日常生活にも支障が出てしまいます。テニス肘は腱や筋肉の炎症なのでレントゲンでは異常は見つかりませんが、症状が進行すると炎症した腱に石灰化したカルシウムが溜まり、レントゲンでも白い物が確認できる場合があります。

テニスレッグ

テニスレッグとは、いわゆるふくらはぎの肉離れのことです。ふくらはぎには腓腹筋(ひふくきん)やヒラメ筋という筋肉があります。腓腹筋はジャンプなどの瞬発性の強い動作に使われ、ヒラメ筋は腓腹筋を力強く支える役割を担う筋肉です。テニスはジャンプや踏ん張り、ダッシュなど急速で力強い動作を繰り返すため、テニスレッグが起こりやすいのです。

前に移動するときやジャンプのときには腓腹筋やヒラメ筋の内側が伸びる力が加わり、左右の移動のときには腓腹筋やヒラメ筋の外側に伸びる力が加わります。これらの動作を繰り返しているうちにそれぞれの筋肉が損傷し、痛みや皮下出血、挫傷や断裂が起こるのです。テニス肘がジワジワ進行するのに対して、テニスレッグが発症するとその瞬間にふくらはぎに強い痛みが走り、力が入らなくなることが特徴です。

ケガをしないための予防方法

それでは、テニスでケガをしないためにはどのようなことを心がければよいのでしょうか?

運動前のウォーミングアップ

テニス前には必ず準備体操をしましょう。プロのテニス選手でも、トレーニング前は入念にストレッチをして身体を温めます。十分なウォーミングアップをせずにいきなりテニスをすると、筋肉が固くなったままなので正常に機能せず伸び縮みしないため、疲労や断裂につながってしまいます。簡単なラジオ体操、柔軟体操などで身体を温め、筋肉を伸ばしてあげることでテニスのプレイ中のケガを防ぐことができます。

運動後のクールダウン

テニスのプレイ後は、特に痛みがなくても軽いストレッチやアイシングを行いましょう。プレイ後は筋肉が熱を持っており、放置していると炎症や疲労、筋肉痛につながります。プレイ後のクールダウンをしっかりすることで、疲労回復や大怪我を予防するのに役立ちます。日々の負荷の蓄積がジワジワと積み重なってケガにつながるので、クールダウンを欠かさないようにしましょう。

筋力アップ

初心者の方には特に実践してほしいのが筋力アップです。テニスラケットは案外重く、強いボールを打ち返すには相当の筋力が必要です。また、足腰の筋肉がないとダッシュやジャンプにも耐えられません。筋力が低いと手首や肘を傷めたり、転倒してケガをしたり、無理な筋肉の使い方によって筋を痛める可能性があります。筋力アップのためにはトレーニングのほかにもタンパク質やミネラル、ビタミンなどの栄養バランスがとれた食事を摂ることも大切です。

ケガの応急処置と治療方法

それでは、万が一テニスでケガをしてしまったらどのように対処すればよいのでしょうか。その場でできる応急処置と病院や整骨院で行う治療方法について解説していきます。

テニス肘

テニス肘の初期症状である日常で手首を使ったときの痛みの段階であれば、とにかく肘を使い過ぎないようにすることが大切です。ラケットを使う動作は休み、下半身のトレーニングのみに制限しましょう。痛みが出始めている場合は患部に炎症が起きている証拠です。その場合はアイシングで患部を冷やすようにします。アイシングをして痛みが引く程度なら無理のない範囲でテニスを続けることも可能です。

さらに痛みが強く、日常生活にも支障をきたしている場合は、専門家に相談しましょう。主な治療方法はテーピング、器具による固定、温熱療法、消炎鎮痛薬の処方、抗炎症剤の処方などがあります。また、回復期にはリハビリに通うことも有効です。

テニスレッグ

テニスレッグが発症すると足を思い切り叩かれたような痛みが走り、その場で力が入らなくなります。そのため、まずは包帯やサポーターで圧迫固定し、アイシングで患部を冷やして応急処置をします。これはあくまでも応急処置なので、すぐに医師に診てもらうことが必要です。

治療方法は2週間から3週間程度患部を固定して筋肉の修復を待つことになります。一度テニスレッグになってしまった部位は再び筋肉が損傷することが多いため、回復後のリハビリが欠かせません。症状にもよりますが、半年ほどはリハビリを続けることが推奨されます。

まとめ

どんなに注意していてもケガをしてしまうことはあります。そんなときに自己流で治そうとするとかえって悪化し、症状が長引く可能性があります。自己判断はせずに早めに専門家に診てもらいましょう。「太田ウィル整骨院」では、テニスでケガや故障をしてしまった患者さんやスポーツ障害でお悩みの患者さん、それぞれに合った治療法やリハビリを提案し、再びテニスを楽しんでいただけるようにサポートいたします。何事も早期治療が肝心ですので、お気軽に当院までご相談ください。