スポーツ外傷とは?

スポーツ外傷

スポーツにはケガがつきもの。ケガをしないに越したことはありませんが、起こってしまうリスクは避けられません。

「スポーツ外傷」は、スポーツによる一度の動作で骨折や靭帯損傷、捻挫などの怪我を指します。一方、「スポーツ障害」は、同じ動作を繰り返すことによって、体の特定の部位への負担が積み重なり、慢性的な痛みや炎症、損傷が発生することを意味します。

特にスポーツ外傷でも大きく分けて以下のものとなります。

➀足関節捻挫

➁突き指

➂手関節捻挫

又、発生機序や状態によって処置や治療法が変わってきます。 アスリートや学生選手は、ケガをしても安静にしていることができない環境の方がほとんどです。長く競技を続けるためにはケガや故障を防ぐことが重要です。 スポーツは日常生活に比べて高い負荷が身体にかかるため、歪んだ身体でプレーしていると深刻な故障につながります。 豊富な臨床経験と基礎医学など幅広い知識を備えたボディメイク指導も行っています。

応急処置

➀安静  

文字通り極力動かさずに安静にしておきます。 ただ、安静にできない部位の怪我も多いです。

➁冷却  

アイシングでは約15~20分。アイシングは専用の道具もありますが、普通のビニール袋に氷水を入れて使う場合もあります。 アイシングの方法は、大体0度くらいの温度で行うのが効果的と言われています。氷を直接当てれば霜焼けなどのリスクもありますので、ビニール袋やタオルなどを介して直接氷を患部に当てないようにしましょう。

➂圧迫  

圧迫はアイシングと同時に行う場合が多いです。 アイシングをする際に、バンテージやサポーターなどで患部を圧迫させます。 アイシングをしない場合も、バンテージなどで患部を圧迫することで腫れを最小限に抑えるのが目的です。

➃挙上  

挙上の目安は心臓より高い位置にケガした所を上げることで血の流れが遅くなり、腫れを防いだり軽減・痛みをかなり和らげてくれます。

 

➀足関節捻挫

 特に足関節捻挫の中でも多い靱帯損傷が、

・前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)

・後距腓靭帯(こうきょひじんたい)

・踵腓靭帯(しょうひじんたい)

下記の損傷度合に当てはめていきます。

損傷の度合

・Ⅰ度損傷→靱帯が伸びている

・Ⅱ度損傷→分断裂断裂

・Ⅲ度損傷→完全断裂

これが一般的な足関節捻挫と言われているものです。 内出血があり、歩行などを確認してみて、Ⅱ度損傷を疑うならギプス固定を考慮していきます。 次は、成長期に関わった場合です。

もし成長期だった場合には、4つの靭帯に加え、もう一つ診るべきところがあります。

・前距腓靭帯(捻挫)

・後距腓靭帯(捻挫)

・踵腓靭帯(捻挫)

・二分靭帯(捻挫)

・骨端線損傷(骨折

成長期の子供の場合、骨折でもある骨端線損傷が加わってきます。この怪我がある場合は、成長障害や後遺症に悩まされることが考えられるため、程度は関係なくギプス固定を行う事がほとんどです。

骨端線損傷とは、骨の隙間にある軟骨でこれは身長が伸びるために重要な軟骨です。別名、成長板とも言われています。身長が伸びる為に重要な場所が怪我をしていると思ってもらえると良いかと思います。骨端線損傷があるかないかが、かなり重要なポイントになります。 成長期は、骨端線損傷が疑われるならギプス固定、それ以降は、剥離骨折や靭帯断裂が疑われるならギプス固定をするのが、セオリーです。 ですので、痛みや腫れの強弱で判断はせずに、どの靭帯が傷んでいて、どのくらいの怪我なのかで、処置の仕方は変わってきますし、微妙なラインだと先生によって処置の仕方が違うと言えます。

極端な話になりますが、捻挫をして腫れも内出血もなく、見た目上ひどくない場合でも、骨端線損傷が考えられるとギプス固定します。 ここが大人と子供の怪我の違いです。 ギプス固定をする時期と理由について 捻挫をした場合、靭帯が伸びるというのはご存知の通りです。そして、捻挫をした瞬間に靭帯が伸びてしまい、骨と骨の隙間が開いてしまいます。(子供の場合の骨端線も同じ原理です。)

捻挫をする前の骨と骨の隙間が少ない正常な位置に固定し、靭帯を元の状態に修復する為にギプスを使います。

・靭帯を正常な位置で修復させるのか?

・そのまま伸びた状態で修復させるのか?

どちらが癖や後遺症になりにくいかというと、もちろん前者になります。 感の良い方ですと、想像できると思いますが、固定は捻挫をして直ぐが一番効果的です。逆に少し期間が空いた場合はギプス固定はしません。 ギプス固定って、大げさじゃない? それに、動かした方が早く良くなるって聞いたんだけど・・・。  最初は、私もそう考えていました。 ただ、骨と骨を固定すると考えた時に、テープで止める場合とギプスで固定する場合は、どちらの方が固定力があるのかってイメージすると良いかもしれません。 次に、動かした方が早く良くなるというのは、かなり正しいです。 怪我をした場所だけは動かさずに、それ以外は歩いたり動いたりしながら、修復を早める方法の一つとして、ギプス固定が最適だといえます。

ギプス固定を勧める理由としては、早期回復・早期荷重を行ってもらう為。 歩く事によって、靭帯の修復が早くなると言われています。 ギプスなしでもある人はいますが、痛みがあるのは変わりません。しかし、ギプス固定をした時から、痛み無く荷重する事ができる(怪我をした日から動いてもらえる)ので早期回復に適しています。 それ以外にもギプス固定はメリットがあります。

・痛み無く、早期荷重が出来る。

・足関節が正常な位置で固定されている為、靭帯修復が早い。

・巻いている間は痛み無し ・固定期間は短く、関節の硬縮はありません。

・軽くて丈夫なので、捻挫の再発は無し。

以前は、テーピングで代用していましたが、固定力は数時間だったり、肌がかぶれてしまう事もあったりしたので、長時間の固定には不向きだなと思います。

固定具を外した後は、足関節が硬くなっているので、ストレッチと運動療法(リハビリ)を行います。自宅でのケアをお伝えし、後遺症も出ないようにしていきます。  

捻挫の初期・中期・慢性化での治療方法は違います。 捻挫をして日にちが経っているのに痛みがあるという方に聞いてみると、【そのままにしていた】という意見がほとんどです。 ただし、怪我の程度や時期によって、テーピングやサポーターで良い場合もありますし、どんどん動かして痛みを取るやり方もあります。 今回は、あくまでも捻挫をした後の処置に関してと、一般の方から受ける質問を解りやすいように書いてみました。

 

➁突き指
指に強い力が加わり、指の骨と骨を結ぶ腱や骨の損傷によって起こる指の変形です。スポーツが原因になることが多く、指を使うバスケットボールやバレーボール、ハンドボールに多いです。突き指になると痛みや腫れをともないます。冷やして安静にすると数日で治ることが多いですが、症状の改善がない場合は、骨折をしている可能性があります。骨折している場合は固定や整復が必要になるので、数日間様子をみても症状が変わらない場合は、当院または整形外科を受診しましょう。

スポーツが主な原因

バスケットボール、バレーボール、ハンドボール等

症状

・可動域制限

・指の痛み

・指の腫れ

・あざ

最悪なケースとしては

・骨折

・脱臼

などを伴うこともあります。

 

固定

➀プライトン

「プライトン」は骨折、捻挫、靭帯損傷などを固定するギプス包帯です。
プライトンは約65℃の熱を加えると柔らかくなり、プライトンを患者さんの患部に当て、患部の形状にそって成形します。
成形がすんだプライトンは、温度低下とともに硬くなります。
固まったプライトンは患者さんの患部の形にぴったりと合っているので、患部をしっかり固定することができます。

主に足関節・手関節・指の外傷に使用します。

➁テーピング 

テーピングの働きとしては怪我の予防や関節部の固定・圧迫です。またテーピングは、指、肩、手首、足などのあらゆる関節に巻いて傷害を受けやすい部位を補強し、その動きを制限することでケガや傷害を予防、再発を防ぐ目的として行われます。

(1)可動範囲を制限する

捻挫、靭帯損傷などその部位が正常な範囲を超えてしまった結果、起こる障害でこのようなケガを防止するために使用します。

(2)傷害を受けて弱くなった部位を補強できる

ケガをして弱くなった関節や筋肉、靱帯などにテーピングをすると、その部位を補強することができます。これはケガの再発予防にも効果的です。

(3)ケガへの恐怖感を軽減

過去にケガをした選手でケガに対する恐怖を抱くことがあります。怪我した部位を補強(保護)することで、安心感が生まれ、思い切りプレーできるようになります。

以上のことからテーピングにはあらゆる使い道があります。今回は指のテーピングの件なので巻き方として簡単にご紹介していきます。

その1)アンカー

突き指のテーピングはまず「関節をまたいで」巻きつけます。 アンカーとは全てのテーピング処置の基本となるテープラインの事です。 アンカーの巻き方は指に沿って巻いていき、例えば第2関節を突き指した場合は、第一関節と第二関節の中間の肉厚の部分と、第2関節と第3関節の肉厚の部分に巻きつけます。 

その2)クロステープ

次にこのアンカーの両サイドからクロスするように双方のアンカーに向けてテーピングを貼ります。 見た目としては、受傷した第2関節部分の指の側面でクロスしているイメージです。 クロステープのポイントとしては、指を軽く曲げた状態でテーピング固定を行うことです。きつすぎると血液の循環を損なうこととなるので注意が必要です。

治療

原則的に安静と対症療法です。指に力が加わる運動を続けていると治りが遅くなるため注意が必要です。

安静にするために、プライトンやテーピングでの固定を行うことがあります。 腫れているだけならば良いのですが、一目見て明らかに指が本来とは異なる方向に曲がってしまっている場合には、脱臼または骨折が考えられます。

骨折がある場合、適切な治療を受けないと、痛みが続いたり、関節の変形や運動障害が残ったままになることもあります。骨折の仕方によっては手術を行うこともありますので、その場合には病院を紹介します。脱臼か骨折かをレントゲンを撮影せずに見分けることは一般の方には困難な場合が多いですが、突き指のようなケガであれば、骨折であっても手術が必要ないタイプのものです(剥離骨折など)。また、指の脱臼であれば手術は不要で、当院または整形外科で整復が可能です。

 

➂手関節捻挫

手をつくときに変についてしまったときや、長時間タイピングをしたあとに痛みを感じることはないでしょうか。捻挫や腱炎、腱鞘炎は異なるケガではありますが関節や腱に負荷がかかったことにより発生します。手は使わないで過ごすことは難しく、ついつい痛みを我慢して過ごしてしまうことも多いかと思いますが、動かしていると回復がどんどん遅れてしまいます。早期回復を目指すためにはどのような対処をすればよいのでしょうか。具体的にみていきましょう。手関節には大きく分けて2つの怪我があります。

(1)捻挫

(2)腱鞘炎

どちらも日常生活で起こりうるケガで、それぞれ原因も異なり別のケガではありますが、関節周辺に痛みをもたらすという共通点があります。そのため、腱鞘炎だと思っていても実は捻挫であったというケースもあります。捻挫と腱鞘炎にはどのような違いがあるのでしょうか。

(1)捻挫とは?

正常な可動域を超えて関節が動いた際に起こるケガであり、関節、靭帯、筋肉を引き伸ばすことにより、さまざまな症状を呈します。

基本的には患部が腫れ、熱感、痛み、安静時痛が発生します。

原因

関節に急激な外力がかかることで発生します。

症状

靭帯を損傷しているため腫れ、熱感、痛み、安静時痛がみられ、動かした際の痛みを感じます。
軽度の場合は、患部を動かした際や体重をかけた際に痛みを感じる程度ですが、靭帯の断裂がみられる重度の捻挫の場合は、動いていないときにも痛みを感じ歩くことも難しい状態となります。また、患部に皮下出血がみられることもあります。

(2)腱鞘炎とは?

筋肉の腱の部分で腱鞘(腱を包むもの)と腱の間に摩耗が起こり炎症を引き起こす症状になります。

基本的な症状は可動痛、熱感などです。

原因

主に手首や指に発生し、繰り返し関節部に外力がかかることで、徐々に腱の通り道(腱鞘)が腫れ、腱が引っかかって痛みが生じます。

近年ではスマホの使用頻度があがったことから親指の使い過ぎによる「ドケルバン病」と呼ばれる腱鞘炎でお悩みの方が多くなっています。また産後、赤ちゃんの抱っこや産後分泌される女性ホルモンが影響で腱鞘炎になることがあります。

腱鞘炎は、いきなり症状を感じるのではなく徐々に感じるようになります。
手首や指のだるさや動きの違和感から始まり、次第に痛み、腫れ、熱感、重度になるとしびれを感じることもあります。
また、痛みは朝方に強く痛みが感じる傾向があります。

捻挫・腱鞘炎の違い

捻挫の場合「いつ・どこで捻挫した」と説明できるのに対し、腱鞘炎の場合は「いつの間にか痛くなっていた」というケースが多いのです。

炎症の5大徴候

自分のケガが炎症を起こしているのかどうかを判断するのに、炎症の5大徴候が役立ちます。炎症を起こしている部位には、

・疼痛(とうつう)

・腫脹(しゅちょう)

・熱感

・発赤(ほっせき)

・機能障害

がみられます。つまり、患部が熱をもって赤く腫れており、ズキズキと痛むうえ動かしづらいようであれば、炎症を起こしていると言えます。

捻挫・腱鞘炎に対する施術方法

保険施術

整骨院・接骨院では、「捻挫」「打撲」「挫傷」外傷(ケガ)に対して健康保険などを使用して施術を行うことができます。
当院では、まず姿勢や全体のバランスをみて分析を行いテーピングや包帯などの固定や手技などを行います。

ハイボルト療法

損傷組織が奥深くに広がっている場合や誘発物質が発生している部位にハイボルト(高電圧)の電気を与え組織の回復を促していきます。
ハイボルト療法は即効性が期待できるだけではなく、損傷箇所を調べる「検査」として使用することもあります。

テーピング

「腫れの軽減」「筋肉の補強」「関節の固定」などの目的によりテーピングの種類を変えていきます。
一人ひとりの外傷(ケガ)の状態に合わせて、テーピングを行っていきます。

治療期間

捻挫

痛みや腫れが完治するまでには1~2ヶ月かかると言われています。

もちろん程度にもよりますが、痛みは治まっても違和感などの後遺症が残ることが多いようです。

一方、捻挫をしてすぐに整骨院などで適切な処置を施せば、完治までの期間はおよそ2週間まで短縮できます。

しかもこれは関節まわりの組織が完全に修復するまでの期間なので、実際には5日程度で軽い運動が再開できます。

腱鞘炎

一度発症すると完治に時間がかかるのでこれも程度によりますが、完治で1か月かかります。*重度の人で2か月

まずは発症を予防することが肝心です。痛みがあると、だんだん指を動かさなくなるほか、安静にするため長い間固定していると、ますます血流が悪くなり、関節自体も固くなるため、適度な運動で柔軟性を保つことも大切です。時折、「腕をブラブラ振る」「手でグーパーを繰り返す」などの動きを行うだけでも効果があります。また、気になっている方、痛みがある方は当院にお越しください。