肘の上が痛い

「なぜ肘が痛くなるのか」、気になる方はいると思います。肘なんか使ってないし、ぶつけてもないのにどうして痛くなるの? 肘が痛い原因はなに? 結論から言うと、それは手首の使い過ぎで起こるのが原因であることが多いです。上腕骨外側上顆炎 (じょうわんこつがいそくじょうかえん)内側上顆炎(ないそくじょうかえん)などが挙げられます。

テニス肘とは?

肘の外側には手首を反らすときに使う筋肉として、長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん)、総指伸筋(そうししんきん)、短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)という3つの筋肉があります。
これらの筋肉が引っ張られることによって起こるのがテニス肘です。テニスのバックハンドのときにこれらの筋肉をより使うため、テニス選手に多く発症したことからテニス肘と呼ばれるようになりました。だが実際には中年以降の主婦の方などに多く起こる障害で、テニスをしたこともないという方も少なくありません。一般的には、加齢とともに腱が痛んで起こるとされていますが、原因についてははっきりわかっていないのが現状です。

ゴルフ肘とは?

ゴルフでダフったり(土をたたいてしまったり)、ゴルフのやり過ぎによる疲労の繰り返しで発症する事が多いので、ゴルフ肘と呼ばれます。

野球肘とは?

その名の通り、野球の投球動作などを繰り返すことで起こるスポーツ障害のひとつです。特に小・中学生の体が未完成な成長期に多くみられます。1番の原因は、使いすぎによることで繰り返す投球動作により、肘に負担がかかることが原因となります。ゴルフ肘と同様の症状です。

症状
握る動作や捻る動作などに伴い肘の外側を中心に痛みを発することが特徴です。多くの場合、大きな怪我などのきっかけがなく発生して数週あるいは数か月かけて弱い痛みから徐々に悪化します。ペットボトルのふたを開ける、ドアノブを開ける、重いものを持つなどの動作が困難になります。

原因
手や手首を伸ばしたり、あるいは手や手首を曲げる筋肉に繰り返しの過度の伸張力や収縮力が加わることで炎症が引き起きることが原因です。肘の外側あるいは肘の内側の腱に細かな損傷が生じ、これが繰り返されることで組織の変性が生じます。
リスクのある動作としては、テニスのバックハンドストローク、ねじやボルトを締める、塗装、肉塊を切る、ハサミを使う、マウス操作など指や手首をよく使う動作の繰り返しです。※野球肘は投げ方のフォームに原因があります。

テスト法
①上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

1)Thomsen test(トムゼンテスト)→手関節抵抗性伸展テスト

肘と手首を垂直に伸ばしたまま手首を上に動かした際に、痛みが出るなら陽性。*手首を上に動かす際、必ず反対の手は下に抵抗を加える事

2)Chair test(チェアテスト)→イス持ち上げテスト

肘と手首を垂直に伸ばしたままイスを持ち上げる際に、痛みが出るなら陽性

3)middle finger extenshion test(ミドルフィンガーイクステンションテスト)→中指伸展テスト

肘と手首を垂直に伸ばしたまま中指を上から押された際に、痛みが出るなら陽性。*中指を上に動かす際、必ず反対の指は下に抵抗を加える事

②上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)、(野球肘)

肘の内側の骨を押したり、叩いたりすることで痛みを確認できます。

診断

肘の外側の骨の隆起に圧迫を加えることで痛みが出ることや、肘の内側にも外側と同様、骨の隆起に圧迫を加えて痛みが出てしまうこと、手首や指を伸ばす、あるいは手首や指を曲げる動作をして肘の外側や肘の内側に痛みがでることなどの身体所見とともに、これまでの症状の出た経緯は問診のみでもテニス肘やゴルフ肘、野球肘と診断をつけることが可能です。また超音波やMRIの検査も有用です。

治療法

肘が痛くなってしまった時はどのように処置をしていけばいいのか、①上腕骨外側上顆炎②上腕骨内側上顆炎、どちらもまずは指や手首の負担を減らすことです。もちろん人間である以上、指や手首を動かすので全く動かさないことは不可能だと思います。なので痛めている手はなるべく使わない意識を心がけて反対の手で使える時は反対の手で行ってあげればいつもよりは負担を少しずつ減らすことができます。小さな積み重ねが大きな結果をもたらします。
①上腕骨外側上顆炎②上腕骨内側上顆炎も指や手首の負担を減らせば痛みを感じることは少ないのでまずは手を止めて休めてください。どうしても使い過ぎてしまう方はテーピングもオススメです。固定をしてあげることによって動かす範囲を制限してあげれば負担は減らせます。
また、どうしても症状が我慢できない方の場合は鍼灸治療も効果的です。中には炎症を起こしてしまって熱をもっている可能性がありますのでその場合は痛む場所を冷やしてからストレッチやマッサージまたは超音波治療、低周波治療などを行い、硬くなった筋肉や腱を緩めて痛みを和らげるといった施術をすれば、早期復帰を目指せます。

今後のセルフケア
運動のやる前とした後、これから仕事する前とした後、入浴後などは、以下のようなストレッチがオススメです。


その1)          肘や腕の外側ストレッチ
①肘をまっすぐに伸ばして手のひらを下に向けます。
②反対の手で、指を押さえ自分の方に引っ張ります。

*肘は必ず伸ばしていること。
③前腕の外側がストレッチされますのでこれを20から30秒間、行いましょう。

その2)          肘や腕の内側ストレッチ
①肘をまっすぐに伸ばして、手のひらを上に向けます。
②反対の手で、指を下に引っ張ります。

*肘は必ず伸ばしていること。
③前腕の内側がストレッチされますのでこれを20から30秒間、行いましょう。

           まとめ

痛みを我慢しないでください。痛みを我慢した分だけ後で大変な思いをします。痛みに我慢した分だけ治りは悪く負担が倍になって自分に降り注いできます。そうなる前に是非、当院にお越しください。