正しい姿勢のメリット

 

① 肩こりや腰痛から自由になれる!

日本人のお悩みのトップ2は、慢性的な肩こりと腰痛。その多くは、X線やMRIなどで画像診断しても、ヘルニアなどの整形外科的な異常が見当たらない。これらの原因がはっきりしない肩こりや腰痛の背景に、不良姿勢がある。

肩こりの誘因は人それぞれだが、そのなかでも多くの人に該当するのがデスクワークなどで前傾姿勢を長時間続けた挙げ句、首や背中の筋肉がガチガチに固まってしまうこと。近年ではスマートフォンの普及によりそれらも原因のひとつである。

姿勢は腰痛にも関わる。股関節が硬かったり、骨盤の傾きが悪かったりすると、腰部に不自然なダメージが加わり続け、腰痛に。加えて肩こりと腰痛はリンクする。また、筋肉の硬さが原因で姿勢を悪くしている場合もある。

マッサージなどで凝った筋肉を緩めると少しはラクになるが、その時だけの治療では根本的な解決にならない。周りの筋肉の硬さを取ると同時に姿勢を変えない限り、しつこい凝りや痛みからは解放されない。

② 血液とリンパの流れが良くなる!

血液とリンパ液には、細胞に酸素と栄養素を運び、二酸化炭素と老廃物を除去する働きがある。その流れが悪くなると、細胞の活動が阻害されたり、代謝が落ちたりする恐れがある。姿勢が悪いと、血液とリンパの流れが妨げられる。

  1. 姿勢の異常により、血液とリンパを運ぶ血管、リンパ管が物理的に圧迫されて流れが滞ることによるもの。
  2. 不良姿勢により硬くなった筋肉が、内部を通る血管を圧迫することによるもの。
  3. 同じく硬くなった筋肉のポンプ機能の低下によるもの。心臓は血液とリンパを送り出すポンプ作用はあるが、心臓まで重力に逆らって戻る際は、筋肉の伸縮がポンプのように機能するため。なので、筋肉が硬いとこの作用が不十分となり、血液やリンパの流れを妨げる。

硬い筋肉をほぐして姿勢を良くすると、血液とリンパの流れもスムーズに促される。

③正しい姿勢と筋トレで理想の体型に!

最近では、コロナウイルスの影響によりテレワークなどで自宅で過ごす時間が長くなった。その時間を有効活用して筋トレをスタートさせるなら、まずは姿勢を整えるとよい。姿勢が悪い状態で筋トレを始めると、体型が良くなるどころか、崩れる恐れがある。

筋肉の柔軟性や筋力に差があると、骨格に歪みが生じて姿勢は悪くなる。それを放置して筋トレを行うと、差が広がってしまい余計に骨格が崩れて、姿勢が悪化する。こうして姿勢が悪くなると、筋肉のつき具合にも、悪い影響が及んでしまう。

どうせ鍛えるなら、姿勢を整えて、全身偏りなく筋肉をつけたいもの。筋トレと並行して姿勢改善に取り組めば、理想体型に早く近づける。

④ スポーツでのパフォーマンスが上がる!

野球、サッカー、バスケ、バレー、テニスなど、どのスポーツをとってもフォームによってパフォーマンスが左右されると聞いたら、誰もが納得するだろう。

そもそもフォームとは、姿勢そのもの。姿勢を定める骨と骨の連なりであるアライメントは、通常は静止した状態の静的なアライメントで評価する。しかし、そこから動き出すとアライメントはダイナミックに変化する。この動的アライメントも姿勢の一種。それを私たちは一般的にフォームと呼んでいる。

例)テニス選手がサーブをするときのエネルギーの約50%は腰から下で生まれます。下半身で作った力が体幹を介して肩、肘、指先と伝わり、ボールに伝わるのです。この全身の運動連鎖のどこかに動的アライメントの乱れがあると、伝わるべき力が伝わりにくくなり、パフォーマンスが低下する可能性があります。

アライメントを静的にも動的にも整えると、ポテンシャルが100%発揮できるようになる。

⑤ 呼吸が深く正しくできる!

呼吸と姿勢は密接にリンクしている。その双方に関係しているのが、肋間筋という筋肉。胸の肋骨の間にあり、外側の外肋間筋と内側の内肋間筋がある。

肺自体はゴム風船のようなものであり、自ら伸縮できない。そこで、息を吸うときは外肋間筋と、胸郭の底にある横隔膜が収縮して胸郭とともに肺を広げ、息を吐くときは外肋間筋と横隔膜が緩み、胸郭とともに肺を狭める。

上半身の姿勢が悪いと肋間筋が硬くなって胸郭の動きが小さくなり、呼吸が浅くなりやすい。逆に何かの原因で肋間筋が硬くなった結果、姿勢が悪くなって呼吸がより浅くなるケースもある。

姿勢を正しくして肋間筋と胸郭の機能がアップすれば、呼吸がラクにできる。また、酸素を取り込む量が増え人体にも良い影響を及ぼす。

⑥ ケガのリスクが下がる!

スポーツで避けたいのは、故障。なかでも多いのが、過度の使いすぎによるオーバーユース症候群だ。

これは、特定の場所に繰り返しダメージが加わり続けるような運動で生じる。筋肉や関節まわりの靱帯や腱などにトラブルが発生するのである。姿勢が悪いと無理な身体の使い方をしてしまうため、オーバーユース症候群にもなりやすい。

スポーツだけではなく、日常生活でも姿勢が悪いことによって思わぬトラブルを招くこともある。

例)猫背の姿勢で歩いたり、階段の上り下りをしたりすると、前脚の膝に負荷が加わりやすくなり、障害のリスクが上がる可能性があります

正しい姿勢をキープをして、スポーツでも日常生活でも故障しにくいようにコンディションを良好に導こう。

⑦ メンタルも明るく!

姿勢はメンタルにも、影響を与えることがある。

気分が落ち込んでくると、いい姿勢が取れている人でも、無意識に背中が丸くなるもの。暗い気持ちのときに、胸を張ろうと思う人はあまりいない。

逆に言えば、体調が悪いときに下を向かず前を向けば気持ちは少し明るくなって来るだろう。正しい姿勢を取ると言うことは精神面にも深い関わりを持っていると言える。

⑧ 姿勢を良くして免疫力もアップ!

今現在、全世界で流行している新型コロナウイルス。そんな中、何かと話題なのが、免疫力。

免疫を担っている白血球は、血液とリンパに乗って全身をくまなくパトロールしている。②で触れたように、姿勢を良くすると血液やリンパの流れがスムーズになり、白血球の働きは高まる。間接的とはいえ姿勢ひとつで少なからず免疫力は高められる。

まとめ

ここまで正しい姿勢について話してきましたが、姿勢を正すことによって様々な人体へのメリットがあることがわかってもらえたかと思います。また、姿勢だけではなく人体に関わる筋肉や血液、リンパ液などを作る臓器なども良い状態にすると人体にはたくさんのメリットがあります。

なぜなら、人体を重力に逆らって支えているのは筋肉であり、その筋肉に栄養を与えているのは臓器であり、その臓器を覆っているのがが骨である。この3つはそれぞれが繋がっているからです。逆にどれかひとつでも状態が悪くなってしまうと他にも影響を及ぼしてしまいます。

これを読んでもらえた人は日々の生活をまた一から考え直し10年先の未来を良いものにしましょう。